集ってくれた若者5人と任意団体ドリィムスイッチをスタートしたのが平成24年10月。
ドリィムスイッチ開設当初の活動の主旨は、「毎日通えるような居場所を創る」ということと、「現実に就労に結びつく支援をする」ということでした。
人間関係を築きながら社会へ出て行く準備をするには毎日通える居場所が必要だと考え、また通ってきた上で、就労など目標とすることを達成出来ることが支援をする意味だと考えていたからです。
就労支援として最初にしたのがパソコンの勉強でした。その時すぐできることでしたし、自身ITの勉強をしてきたことで職業人生においては随分救われました。けれど当然のことながらパソコンの勉強をすれば仕事に就けるというものではありません。就きたい仕事によっては就職で有利になる場合はありますが、そもそもパソコンの勉強が合わない方もおられます。
そして、就労を困難にしている要因は内面的なものも大きいようでした。
ホームページを見ていろいろな方が訪ねて来られるようになりましたが、来られる方はいろいろな悩みや課題をもっておられました。その方々にどのように対応したら良いか学ぶ方法を探し、キャリア・カウンセリングと出会いました。キャリア・カウンセリング養成講座では、人が社会の中で職業を含めた自分の人生を有意義に生きていこうとするのを手助けする方法を学ぶことが出来ました。
『自己理解を深め、自分が幸せだと思う人生を歩む力を得る』
キャリア・カウンセリングとは単に仕事に関する相談を受けるためのものではありませんでした。
平成25年9月、どりぃむスイッチを法人化し、県の委託事業にも採択され人を雇って支援活動を続けることになりました。それに伴って提供するプログラムは大幅に増えることになりましたが、任意団体で活動している時から
どりぃむスイッチの活動の柱はパソコンの勉強とピア・サポートだったように思います。
パソコンの勉強(又は入力作業など)は最初に家から出て通い始めるときの動機づけになりました。
そして通い始めると、同じように通ってくる人同士の交流が支えとなりました。この支え合いがピア・サポートです。
ピア・サポートの力は非常に大きく、それだけで人は救われ元気になる場合もあります。特に初期段階ではこの力が有効です。
県の委託を受けた頃には既にどりぃむスイッチに参加していた数名が新しく来る方を引っ張ってくれる存在になっていました。大幅に増えたプログラムとして、ExcelやWordの勉強に始まり、本格的なプログラミングやCADの勉強、自分の内面と向き合うワークや自助会、秘書検定の問題集を使ったビジネスマナー勉強会等を企画しました。
それぞれに引っかかる何かを見つけて参加するために足を運んでくれ、学んで力をつけた人は、新しく来た人をサポートするボランティアをしてくれました。
力仕事や雑用を手伝ってくれる人、他の団体のお手伝いについてきてくれる人。こうして手伝いを自分からしてくれるようになると、「そろそろ仕事を探そうと思います」と就活を始められるケースが多いようです。
タイミング良く職場体験出来る会社がある時もありますが、そうでなければコンビニ等に置いてある求人誌や
ハローワークに出ている求人に応募する事になります。そして試行錯誤の就活の後に各々の道を見つけ就職していかれる。いろいろな体験を重ねた後、自ら仕事をしたいと意欲を持ち、就職へと進んでいかれるのを私たちは応援してきました。
社会参加に困難を抱えている要因は人それぞれ違います。共通する部分もありますが、複合的にさまざまな要素が絡んでいるので一律に同じことをやっても効果は薄い。
相談と体験を繰り返しながら、キャリア・カウンセリングの根幹でもある「経験から学ぶ力」の醸成を手助けする必要があります。体験が増えない状態で相談だけをしても、支援は非常に困難です。
その人のモチベーションとなるものは何か?
何が妨げになっているのか?
その中でも主な問題は何か?
どうすれば現状打破できるのか?
又、自己理解を深めることも大切な要素です。自己理解を深めるのは、支援を受けたことで、自力で解決していく力をつけるためです。昔と違って就活を何度もしなければならない可能性が誰にでもあり、人間関係でつまずくことは、これからもあるかもしれません。その都度解決できる力をつけられることが大切です。
その為には相談できる相手を持つことや、自分のことをよく知り難しいところは人の手助けを得ながら歩んでいくことが大事です。しんどい時は愚痴れるような仲間も得られると少し楽になります。
人の力も借りながらトライアンドエラーを繰り返し成長していけるようになると、少しずつ自分らしい人生が歩んでいけるようになります。
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